犬を飼おうと思い、このページにたどり着いてくださった方、飼う前のリサーチをしてくださっているということ!
犬を飼う目的
何故犬が欲しいと思いますか?愚問のようですが、犬を飼う前によーく考えてください。目的をハッキリさせることで、どんな犬が相応しいのかが明確になってきます。
例えば・・・
- 健康のために毎日一緒に歩きたい
- 一人暮らしで寂しいので、コンパニオンが欲しい
- 今いる犬が寂しくないよう、2匹目を飼いたい
- 子供が欲しがっている
- 飼っていた犬が死んでしまったので、次の犬が欲しい など…
ペットショップのガラスの向こうで、小さな丸い目をウルウルさせている姿は本当に可愛いものです。しかし、衝動買いだけは止めてくださいね。
言うまでも無いことですが、犬は十数年生きる動物です。結構長いですよ!犬は糞尿もします。毎日散歩に連れて行かなければなりません。旅行に行くときには、預け先を探さなければいけません。十数年の間には、病気になることもあるでしょう。もしかしたら、問題行動を起こすかもしれない。色々な障害をクリアした上で、それでも犬が欲しい!そう思ったら、次ステップへ進んでください。
犬種
絶対にしてはいけないこと。それは、容姿だけで犬を選ぶこと。
それぞれの犬種には、性格的特徴があります。犬種の特徴・性質的な傾向・ニーズなどをしっかりと調査し、自分の生活スタイルにあった犬種を選ぶことが非常に重要です。
例えば・・・
■犬のために裂く時間の余裕があまり無い飼い主さんが、エネルギーに溢れたボーダー・コリーを飼うのは、フラストレーションから来る問題行動を待っているようなもの
■アパートで、お隣と薄い壁で繋がった家で、吠えるのが仕事のテリア系の犬を飼うのは、苦情を待っているようなもの
■綺麗好きで、塵一つが気になるおうちでは、ゴールデン・レトリバーや、ジャーマン・シェパードなどの、毛抜けが多い犬は、奥様のノイローゼを待つようなもの
■毎日一緒に運動をしたい飼い主さんは、ソファーでぐーすか寝るのが大好きなブルドッグは物足りないかもしれません
どの犬種も、良いところもあれば困ったところもあると思います。困った部分も理解した上で飼えば、予防対策も早いうち立てることができます。
その時のブームや一時の「可愛い!」という気持ちに流されず、現実をきちんと下調べしてから自分のライフスタイルに合った犬種を選ぶようにしてください。
個体の性格
犬種としての性質も去ることながら、それぞれの性格も犬を決定する上での大きな要素です。
「兄弟たちの中で一番元気の良いのを選ぶと良い」とよく聞きますが、それが必ずしもあなたにとってベストな犬とは限りません。
犬を選ぶ際、全ては「どんな目的に育てる犬なのか」がベースとなります。例えば、麻薬探知犬や介護犬など仕事をする犬は、諦めないしぶとさや何事にも怯まない勇敢な性質や自立心など、その仕事をする上で必要な性質を持っていることが重要です。
職業犬ではなく、またアジリティ犬や狩猟犬など特別な性質を持ち合わせた犬を希望している場合を除き、一般的にペットとして扱い易い犬は、兄弟たちの中で、行動が中間~控えめ寄りの個体です。
真っ先に駆け寄ってきて愛想を振りまく犬、兄弟たちを押しのけて元気いっぱい振舞う犬は、兄弟たちの中では一番権勢本能が強い犬です。つまり、家庭内で、ボスの座を主張する犬となる傾向が強いということです。
一方で、隠れて出てこないような極度にシャイな個体は、後々人間界に慣れてゆく過程で怖がりな体質が邪魔してスムーズに学習できない場合がありますので、避けたほうが良いでしょう。
極端な行動が無くごくごく中間的な個体、または控えめ寄りの犬を選ぶと服従心があり、訓練しやすい犬となるでしょう。
入手先
主に、犬を入手する先は3つ。それぞれの特徴、長所・短所をまとめてみました。
ペットショップ
【特徴】
大型チェーンから個人経営の小さな店舗まで様々ですが、近隣には必ずあるはずです。ペットショップによってさまざまですが、なぜその犬を仕入れたのか、その犬が生まれたブリーダーの情報を把握しているか、販売中の犬のケアはどのようにしているのか、病気の保証等を調査し信頼できるショップかどうかを見極めましょう。
【長所】
■すぐに手に入る
■全国どこにでもある
【短所】
■母親や兄弟からの早すぎる離別
■大切な学習期間を、狭いケージの中で一人きりで過ごす
■不十分な社会化
■両親の性格や病歴などが分からない
■トイレのしつけがしづらい(ケージの中での排泄に慣れてしまっているため)
ブリーダー
【特徴】
その犬種のことをよく研究し、よい犬の生産に情熱を傾けているブリーダーを探すことが重要です。ただ、売るためだけに次々と子犬を生ませているようなブリーダーは絶対にやめましょう。母犬・父犬の性格や何故その2匹を掛け合わせたのか、どんな子犬(性格・容姿など)を作ろうとしているのかを、きちんと説明できるブリーダーを探しましょう。
【長所】
■両親を見ることができる
■兄弟との比較ができる
■適齢まで母犬の元で育てられる
■珍しい犬種なども手に入る
【短所】
■子犬を売るためだけの、悪徳ブリーダーの存在
■数が少ないため、遠方となる場合が多い
■子犬が産まれるまで、待ち期間がある
レスキュー・グループ(成犬)
【特徴】
一度は捨てられた犬や迷子になった犬などを保護し、新しい飼い主を探すボランティアをしているのが、レスキュー・グループです。
本来ならば、保健所で命を絶たれていたはずの犬を救うのは素晴らしいことです。犬種や容姿だけでなく、ボランティア団体から犬の性格やこれまでの経緯など、できるだけ沢山の情報を集めて検討しましょう。
【長所】
■不幸な犬を減らす、社会貢献
■安価
■子犬のドタバタ育児をスキップできる
■犬の性質が分かりやすい
■数が多い
【短所】
■過去のトラウマなどがある場合がある
■成長した環境などが分からない
■可愛い子犬期を育てられない
犬が来たら・・・
犬がやってきたその日から、リーダーシップを発揮して立派な飼い主となってください!
特に気をつけていただきたいのは、「望ましくない行動・精神状態」には一切愛情を与えないこと。例えば、新しい環境に足を踏み入れた犬がおびえていたとします。おびえている間は、犬の一切を無視してください。「大丈夫よ」と優しく抱きしめてあげたい気持ちはよく分かります。特に、不幸な境遇をすごしてきた犬となれば、なおさら愛情を注ぎたくなるのが人情というもの。しかし、ここは犬のため声を掛けない、触らないことを徹底してください。犬が自分で周辺を探索し、落ち着いてきたら、そこで初めて優しい言葉を書け触ってやるようにしてください。
特に、レスキュー・グループから不幸な境遇の犬を引き取った方は要注意です。「犬の脳みそに届く3つのこと」でも書いていますが、犬は「今」を生きる動物。昨日、虐待を受けていても、犬は昨日のことは考えていません。昨日の出来事は、今日の精神状態に影響はしていてもその体験を引きずってはいません。昨日を捨て、今を生きること。犬がそれをする為には、飼い主が、不幸だった昨日の犬を捨てることが必要なのです。
犬は、不安定な精神状態に愛情を注がれることで、その状態から抜け出すことができなくなります。怖がり犬・ハイパー犬など、犬の精神状態が落ち着いた状態にない犬は全て同じです。望ましくない行動や精神状態愛情を与えないことを、心に刻んでください。
詳しくは、犬の愛し方をお読みください。