望ましくない行動には飼い主が自分に注意を払ってくれているのに対し、良い行動には注意を払ってくれないのでは、犬は前者の方が良いことに違いないと思います。これでは、犬の問題行動は悪くなる一方となってしまいます。多くの飼い主さんが、犬の問題行動を指摘することは得意ですが、では、代わりに犬には何をして欲しい?との答えに詰まることが多いのです。
してはいけない事を挙げるのではなく、して欲しいことを挙げてください。犬は、「ダメ」と言われても「では、何をしたらいいのか?」が分かりません。ダメというならば、代わりにして欲しい行為を明確に示し、教えてやりましょう。
どんな犬になって欲しいのか、どんな行動をして欲しいのかを、家族の中で明確に話し合ってください。「大人しい犬」「迷惑を掛けない犬」など、抽象的な回答ではなく、具体的に思い描いてください。
- 具体的な一例 -
- 散歩の時には、飼い主の左側を引っ張らず歩く
- ドアを開けても飛び出さず、お座りをして待つ
- 飼い主が帰ってきたら、玄関にお座りをしてお迎え
- 人間の食事の時には、自分のベッドで大人しく
- ソファに上がっていいのは、飼い主が招いた時だけ
上記のようにリストにしてみると、理想の姿が明確になってくると思います。
理想の姿が明確になったら、全ての理想的な行動をを褒めてあげてください。 悪い行動は目につきやすいものですが、悪い行動以上に良い行動に注意を払い、褒めてやる。これはとても大事なことです。
「いつも落ち着かない犬がやっと静かになった、刺激しないように、シーッ・・・」と抜き足差し足で歩くのではなく、犬が静かになった時こそ、たくさん褒めてやってください。