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体罰は絶対ダメ!と書いているしつけ本が多いですね。体罰について議論する前に、まず「体罰」とは何でしょうか?

「体罰は絶対しない」と頑なになる前に、体罰とは何なのかを考えてみてください。

私は、体罰は2種類あると思っています。
感情に任せた体罰=虐待
愛情からくる体罰=教育

言う事を聞かない犬に苛立ってつい・・・それは、虐待です。感情に任せて手を上げることは、絶対にしてはいけません。犬は、あなたの怒りのエネルギーを感じ、怖がることはしても、それから学ぶことはしません。せいぜい、あなたの不安定な精神状態を感じ、あなたへのリーダーとしての敬意を失うくらいです。

私は、しつけ教育の中で、体罰も必要であれば利用します。あくまでも、愛情から来る体罰です。感情的にならず、ダメなものはダメと、しっかりと頑固に教えます。

愛情から来る体罰とは言え、頭を叩いたり、蹴飛ばしたりする体罰には反対です。体罰は痛みを伴う必要は全くありません。1つは、トレーニング首輪を瞬間的に引っ張り、「ダメよ」というシグナルを与えること。決して強い力で引っ張る訳ではありません。また、犬の顔の両脇を両手で掴み、「ダメ」と叱ることもあります。

どちらも犬にとって痛みを伴う行為ではなくても、犬の体に触れることですので、体罰と考えられます。こういった体罰は訓練上、個々の犬の性質や問題の深さ、問題行動をしてきた期間の長さなどにより、必要に応じて使うことで、効果的な訓練ができると思っています。
また、「体」罰ではありませんが、「ダメ」と口頭で叱ることも、犬にとっては罰です。これも、しつけ教育のなかで沢山取り入れます。

罰の全くない、褒めるだけの教育が流行ですが、褒めるだけでは、犬の中での良い事/悪いことがハッキリせず、曖昧です。良いものは、「すごく良い!」と褒める。悪いことは「絶対ダメ」と叱る。しっかりと明暗をつけてこそ、犬にとって分かりやすい、信頼できるリーダーとなれるのです。

上手に使えば、しつけ教育にも必要な罰ですが、いつでも使っていい訳ではありません。
罰を与える前は、以下のことを必ず確認してください。 

犬が「何故叱られているのか」がきちんと分かっていること

理由も分からずに体罰を与えられるのは、ただの虐待に過ぎません。例えば、誰かが、あなたに「アスィ」と命令したとします。あなたは意味が分からずに「????」と不思議顔でいると、バシーン!とホッペタにビンタ。あなたならどうしますか?叩いた相手を攻撃しますか?それとも、震えてもう叩かれないことを必死で祈りますか?
「アスィ」とは、フランス語で「座れ」という意味です。最初から分かっていれば叩かれる前に座りますよね?
何度言ってもいう事を聞かない犬、本当に、叱られている意味が分かっていますか?もう一度原点に返って、見直してみてください。

飼い主さんのリーダーシップが確立されていること

リーダーとして尊敬していない人間から体罰を受けた犬は、「この人怖い」と怯えて心を閉ざしてしまったり、「おまえ、何様だよ!」と攻撃をしかけて来たり、「ぜんぜんへっちゃらだもんね~」とバカにしたり、叩かれたとはいえ触ってもらえたことが嬉しくて逆に喜んだり・・・と、飼い主が思うような結果が出ません。
「尊敬するリーダーから怒られた」そんなインパクトを残せるよう、先ずはリーダーシップの確立ができているかどうかを確認してみましょう。

叱るタイミングを逃さない

犬の短期記憶は、1.3秒。叱らなければいけない行為をしてから1.3秒以上たってしまったら、叱っても無駄です。何を叱られているのか分からない、もしくは、別のことでしかられていると思ってしまい逆効果です。
家族の留守中の粗相を、家族が帰宅後に叱るなどもってのほか。タイミングを逃してしまったら、叱らず根気良く次の機会を待ちましょう。

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